スズメバチ

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スズメバチ(雀蜂、胡蜂)は、ハチ目スズメバチ科に属する昆虫のうち、スズメバチ亜科(Vespinae)に属するものの総称である。ハチの中でも比較的大型の種が多く、性格は概ね獰猛、1匹の女王蜂を中心とした大きな社会を形成し、その防衛のために大型動物をも襲撃する。4属67種が知られ、日本にはスズメバチ属7種、クロスズメバチ属5種、ホオナガスズメバチ属4種の合計3属16種が生息する。

スズメバチ 天敵

天敵は捕食者として野鳥、クマ、ムシヒキアブ、ハチクマ、ヒトなど、寄生者として菌類、線虫[1]などである。生活史を通してみると、捕食寄生者が多い昆虫には珍しい真の寄生虫であるネジレバネ等がある。幼虫の捕食寄生者としてはカギバラバチ科のハチやオオハナノミ科の甲虫が知られる。 スズメバチ類の巣にはしばしばベッコウハナアブ類の幼虫が寄生し、営巣盛期には排泄物や巣の下部に廃棄された成虫や幼虫の死体を摂食している。これが、晩秋の巣の衰退期になると巣の上部に侵入し、生きた幼虫をも捕食し成長する。また、朽木の中に越冬室を掘って冬眠中の新女王蜂は、しばしばコメツキムシ科の甲虫の幼生によって捕食される。 鷹の一種であるハチクマは、スズメバチの巣を攻撃し、巣盤を持ち帰り、幼虫と蛹を雛鳥の餌としている。ハチクマの攻撃を受けたスズメバチは、蜘蛛の子を散らすように逃げ惑い、毒針を用いた防御行動を起こさないという。 ヒトは、スズメバチを巣ごと駆除したり、食用として幼虫や蛹を採集する。クマは巣を破壊し、中の幼虫や蛹を食い荒らす。 また、おなじスズメバチ類の中でも捕食・被食の関係がある。オオスズメバチは生殖個体である雄蜂や、養育期には他のスズメバチの巣を頻繁に攻撃する。

スズメバチ 毒

スズメバチ類は強力な毒を持つものが多く、人への攻撃性も強い、危険な蜂である。 毒針、毒嚢、毒腺は生殖器が変化した物で、刺すのは雌だけである。(これは、他の蜂にもいえることである。)女王蜂も毒針こそ持つものの、攻撃性は低く、刺すことはほとんどない。

スズメバチに遭遇した際の注意事項

■夏から秋にかけて農林作業や野外活動を行う際は、スズメバチに突然遭遇する危険性のあることを念頭に置いてください。
■日常活動の範囲にスズメバチの巣があるような場合には、巣の近くで大声を出したり、強い振動を与えたりしないように注意してください。
■巣を除去するには、市町村役場等に相談してみるといいでしょう。
■一般的に知られているとは思いますが、スズメバチは「黒色」を攻撃する性質があります。 白っぽい服装の方が安全度は高いそうです。
■ヒラヒラするもの、純毛製のもの、香水やヘアスプレー、虫避けの超音波発信機などは、蜂を刺激する原因となるそうなので気をつけましょう。 野外活動中に偵察蜂に遭遇した場合は、頭(黒色)を隠し姿勢を低くして、ゆっくりその場を離れる。
■蜂の攻撃を受けた場合、手やタオルなどで払うのは危険だそうです。 蜂は前後の動きには鈍感であるが、左右や急激な動きには敏感である。

スズメバチ 種類

・オオスズメバチ
・ヒメスズメバチ
・キイロスズメバチ
・コガタスズメバチ
・モンスズメバチ
・チャイロスズメバチ
・クロスズメバチ
・キオビホオナガスズメバチ
・ヤミスズメバチ属

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スズメバチ 刺された場合の対処法

一度刺されただけでも、何か太いものが突き刺さったような強烈な激痛を伴う。刺されたら、さらに集団で襲われることがあるので、スズメバチの攻撃行動をより刺激する危険のある大きな身振りを控えつつ、まずは速やかにその場から離れる。 応急処置としては、傷口を流水ですすぎ、傷口をつまんだり吸引器を用いる方法で毒液を体内から外に出す。この際、口で毒液を吸い出してはならない(口に傷があった場合、そこから毒が染み込む可能性があるため)。スズメバチに限った話ではなくウミヘビなどにも言えることだが、毒を不活化させるためタンニンを含むもので傷口を洗うことは非常に効果的。あればタンニン軟膏を塗るのが最良ではあるが、タンニンを多く含むものでなおかつ身近にあることが多いものとしてはお茶が挙げられ、その中でも番茶は特にタンニンの量が多く推薦される。抗ヒスタミン剤とステロイド系抗炎症薬を含む軟膏があれば、それを塗るのもよい。冷やしながらできるだけ早く病院に行く。過去に刺されたことがある場合は、たとえ前回大事に至らなくても免疫系の記憶システムによりアナフィラキシーショックを起こす可能性が高くなり、場合によっては死に至ることもあるので非常に危険。 また、医師から処方を受けるなどの方法で事前にアドレナリンを主剤とした自己注射薬(エピペンなど)を入手している場合は、これを用いることによって一時的にアナフィラキシーショックの症状を緩和することができる。ただし、これも補助的な役割を果たすだけに過ぎないため、一刻も早く病院へ向かう必要があることにかわりはない。 なお、俗に言われる「アンモニアが効く」というのは迷信であり、尿などつけない方がよい。これは同じハチ目であるハチやアリの毒液成分の分析がまだ十分でなかった時代に、例外的に刺針を有しないヤマアリ亜科のアリがギ酸を大量に含む毒液を水鉄砲のように飛ばして敵を攻撃することが知られていたことから、他のハチ目の毒の主成分もギ酸であろうと考えた拡大解釈による。ヤマアリ亜科以外のハチ目の毒にはギ酸は含まれておらず、アンモニアによる中和効果は期待できない。特に、アンモニアを含むからとして尿を用いる民間療法もあるが、人の尿に含まれる窒素排泄物はアンモニアではなく尿素であり、そもそも効果を想定しているアンモニア自体、腐敗させて尿素を分解しない限りは含まない。健康人の新鮮な尿なら無菌であるので感染症の心配はないものの、不快なだけで無益である。

スズメバチ 刺されないための注意

スズメバチ類は巣の防衛行動をもつため、巣から10m以内に近づくと警戒行動をとり接近者の周囲を飛び回る。この時点でその場を離れた方がよい。次の段階としては左右の大顎を噛み合わせて打ち鳴らし、「カチカチ」という警戒音を出し威嚇する。さらにその場に留まったり、巣の近くを通る等刺激を与えると集団で攻撃される。 オオスズメバチやキイロスズメバチは巣への接近者を突然攻撃してくる場合があるので、近寄るのは大変危険である。特にオオスズメバチは多くのスズメバチ類が基本的に自らの巣のみを防衛するのに対し、夏季には、クヌギなどの樹液の浸出部を、樹液を成虫の餌とするため同じ巣のメンバーで占拠した場合、自らの巣と同様に浸出部を防衛行動の対象とする。また秋季には、集団攻撃によってミツバチや他種のスズメバチの巣を襲撃し、反撃するその成虫を根絶やしにした後、それらの巣から幼虫や蛹を自分たちの幼虫の餌として搬出するという行動をとるが、行動中はそれらの巣もまた自らの巣と同様に防衛行動の対象とするので、危険である。 さらにオオスズメバチが他種のスズメバチの巣を襲う秋季も、多くのスズメバチ類がオオスズメバチへの警戒態勢を強めて巣の防衛行動を強く活性化させていることから、注意を要する。 香水や黒い服もスズメバチを興奮させるおそれがあるので、夏、秋に山や森に行く場合は香水や黒い服を控えるべきと考えられる。というのも、香水には、しばしばスズメバチ類の攻撃フェロモンと同じ物質が含まれているからである。特に多くの果物にも含まれている2-ペンタノールは最も活性が強いとされている。また、黒い服は、スズメバチ類がしばしば幼虫や蛹の捕食者として攻撃標的とする、ヒトを含む大型哺乳類の弱点が黒色部分(眼や耳孔など)であることから、黒色あるいは暗色部分を識別することによって攻撃行動を活発化させる行動特性を刺激すると考えられるからである。 また、防護服などは概ね白いが、だからといって白い服なら絶対安全というわけではない。例えば夜になると、逆に白い服は攻撃されやすいとされる。これは、色のコントラストが強いものに反応している為と考えられている[要出典]。 また、バーベキュー等アウトドアでの飲食する場合に散見されるのは、飲み残しや飲んでいる最中に一時手を離して放置された清涼飲料水やアルコール飲料の缶内にスズメバチが潜り込み、再度飲もうとする時などにこれに口などを刺される事故である。スズメバチは成虫の活動に必要な糖分を求めてビールやいわゆる缶チューハイと呼ばれる一連のアルコール飲料や、各種清涼飲料水に誘引されるので、注意が必要である。 山などで団体で行動している時に最初に刺されるのは、蜂蜜を常用している者に多いことも確認されている[要出典]。 また、はしご形神経系構造なので、腹部のみの死体でも触ると反応して刺してくるため、触らないこと。

オオスズメバチ

オオスズメバチ(Vespa mandarinia japonica)はスズメバチ類の中で最も大型のハチで、体長は女王バチが40〜45mm, 働きバチが27〜40mm, オスバチが35〜40mm。以前は標準和名として『オオスズメバチ』の他に単に『スズメバチ』を用いることも多かった。学名の中の種小名のmandariniaは、その派手な警戒色を華麗な制服を着た清朝の官僚になぞらえたものである。 日本に生息するハチ類の中で最も強烈な毒をもち、かつ攻撃性も非常に高いことから最も注意が必要。防衛行動は毒針によって刺したり毒液を水鉄砲のように噴出させるのはもちろん、毒針によって刺しながら強力な大顎で攻撃対象の皮膚を大きくえぐる行動も行うので被攻撃者は大怪我を負う。またこの毒液中には警報フェロモンが含まれており、巣の危機を仲間に伝える役割を果たしている。2003年にはこのオオスズメバチの警報フェロモンがアルコールの一種であることが明らかになり科学雑誌「Nature」にて発表された[5]。 日本の北海道から九州に分布しており、日本での南限は屋久島、種子島近辺。土中、樹洞に巣を作る。働き蜂も巨大であり、筋肉の力は強大で、他のハチ類や筋力の強い獲物との格闘戦や、大顎によって噛み砕く力は強力なものの、飛翔時の敏捷性にはやや乏しいため、敏捷な昆虫類を捕らえることを苦手とする。 夏季に幼虫に与えられる餌は強力な大顎で噛み砕かなければ肉団子にできないようなコガネムシ、カミキリムシといった大型の甲虫類、さらにはスズメガなどの大型のイモムシ等であるが、これらの大型で装甲が頑丈だったり強力な筋力を持つ昆虫が減少し、大量の雄蜂と新女王蜂を養育しなければならない秋口には攻撃性が非常に高まり、スズメバチ類としては例外的に集団でミツバチやキイロスズメバチといった巨大なコロニーを形成する社会性の蜂の巣を襲撃することで、この必要をまかなう。これらのハチの働き蜂を攻撃して全滅、あるいは逃走させた後は、殺戮した働き蜂の筋肉に富む胸部も幼虫の餌として巣に運ぶが、こうした大量の死体は餌として処理しきれないうちに腐敗が始まり餌として適さなくなり、同じ巣の働き蜂で占領した巣の中から時間をかけて大量の生きた蛹や幼虫を肉団子にしつつ運び出す。 スズメバチ類の中でも特に大型の巣を作り、スズメバチ属としては小型ながらもおびただしい数の働き蜂を擁するキイロスズメバチの巣を襲撃した場合にはオオスズメバチにも多大な被害が出るが、コロニー自体が巨大なため、巣の占領に成功したときには、その損害に見合う大量の幼虫や蛹を獲物として収穫できる。しかし他のスズメバチに比べて外骨格の装甲が極めて強靭なチャイロスズメバチの巣を襲撃した場合には逆に、大顎や毒針による攻撃が必ずしも十分有効に機能せず、撃退されることもある。 日本産亜種であるニホンミツバチを含むトウヨウミツバチの巣を襲撃した場合には、単独のオオスズメバチの働き蜂が偵察している段階、つまりオオスズメバチが集合フェロモンにより同じ巣の働き蜂を集結させる前の段階で、ミツバチの働き蜂が集団で敵を押し包む行動、即ち蜂球が作られ、その状態でミツバチよりわずかに低いスズメバチの致死温度まで代謝熱を上昇させられて蒸し殺されることにより撃退される場合が多い。また、偵察段階での撃退に失敗して集団攻撃を受けた場合には、トウヨウミツバチは幼虫や蛹、蓄えた蜜や花粉などの貯蔵食糧など巣から持ち出せない資源の防衛を速やかに放棄し、?嚢に収められるだけの貯蔵蜜を体内に確保した女王蜂と働き蜂だけで逃走する。 この種に対抗するすべを持たないセイヨウミツバチの場合は攻防の関係は一方的で、ミツバチの飼育者による庇護がなければ必ずといっていいほど全滅を余儀なくされる。あくまで定説だが、30匹ほどのオオスズメバチがいれば3万匹のセイヨウミツバチを3時間ほどで全滅させられると言う。このことが毎年セイヨウミツバチの飼育群から分蜂による野生化群があちこちで誕生しているにもかかわらず、日本で野生化、拡大するのを防ぐ要因になっている。オオスズメバチの生息しない小笠原諸島ではセイヨウミツバチが野生化しており、在来のハナバチ類を圧迫して減少させていることが確認されており、これらのハナバチ類と共進化して受粉を依存している固有植物への悪影響が懸念されている。こうしたセイヨウミツバチの天敵の欠如による固有植物への悪影響は国外ではオーストラリアで報告されている

スズメバチ 巣の構造

スズメバチの巣は、基本的にはアシナガバチのそれに似たものである。材料は枯れ木から齧り取った木の繊維を唾液のタンパク質などで固めたもので、一種の紙のようなものである。この材料を使って管を作ったものが巣の構成単位で、その中に卵を産み、幼虫が孵化し成長するにつれ部屋を拡大延長する。幼虫が蛹になると蓋をされ、羽化して成虫が脱出すると巣の役目は終了する。 このような巣を平面的に外側へ追加して、円盤状になったものを柄をもって木の枝などからぶら下げたものがアシナガバチの巣であるが、スズメバチの場合、この巣の周りを同じ材質でできた外被と呼ばれるもので覆う。外被は保温材としての働きの他、アリなどを防ぐ防壁としての機能がある。外被を作らないアシナガバチでは、巣の柄の部分にアリが避ける物質を塗りこれを防ぐ。このように外被のある構造なので、スズメバチの巣は出入り口が一つであり、巣の形からも他のハチと見分けることが可能である。 女王蜂が最初に作る巣には、働き蜂が誕生して大きく成長した巣には見られない特徴が見られることがしばしばある。例えばコガタスズメバチの初期巣はトックリを逆さにぶら下げたような形をしており、口の部分が出入り口になっている。また、クロスズメバチ類などでは巣の基質への付着部がねじれた三角形の板になっていて弾力で衝撃を吸収するようになっている。やがて働きバチの誕生に伴い、次第に巣は拡張され、それにつれて女王蜂が単独で作った巣に固有の特徴も失われていく。 巣盤はアシナガバチの様な1段ではなく、その下に新たに追加され、数段の巣盤が互いに柱で結びついた形となり、外被も球形のものになってゆく。囲いは巣材を採集する働き蜂の個体ごとに、異なる枯れ木や朽木、樹皮などの採取場所を持つ。このため、何個体もの働き蜂が持ち帰った何種類もの材料を用いて、一部づつを魚の鱗が成長するように塗ってゆくため、色違いの鱗模様に彩られる。 大きなものでは一抱えもあるようなものとなる。この外被は働き蜂の造巣活動によって次第に皿状に湾曲した鱗を重ねたように空隙を抱えながら厚くなっていき、優れた保温効果を持つようになる。さらに、働き蜂は、ある程度厚くなった外被の内側の巣材を削り取ってさらにタンパク質などを含んだ唾液で練り直し、より強靭な巣盤の材料として内部の営巣部の拡張を行う。 多段式に重なる巣盤を結合する支柱はさらに強度を要する。幼虫が蛹になるときに口から絹糸を吐いて巣室をふさぎ、繭を形成するが、支柱の建設に携わる働き蜂は、蛹が羽化した後に不用になったこの繭の絹糸を噛み砕いてほぐし、内側から削り取った外被、及びだ液と練り混ぜて、支柱の素材とする。 こうして次世代の新女王蜂や雄蜂が養育される時期には巣は巨大なものに成長するが、日本のような温帯では、秋の終わりになると巣外で交尾し越冬する新女王蜂を除き全てのハチが死に絶えるので、巣は空き家となる。 ただしこれは日本の場合であり、冬のない熱帯地方では1つの巣に数十匹の女王、数百万匹の働き蜂を抱える巨大な巣に成長する場合もある。